| 研究概要 |
光と分子が強く結合する光-分子強結合場の創成にあたっては、光に伝播制御や局所電場を高度に制御可能なサブミクロン～ナノメータースケールの微細規則構造を効率的に形成可能な手法の確立が重要な課題とされる.本申請課題では,自己組織化的にサブミクロン～ナノメータースケールの幾何学構造が制御された構造を形成可能な陽極酸化ポーラスアルミナ等の規則構造をもとに,光の伝播制御,あるいは,局所電場増強が可能な構造の構築を行うとともに,新規な光機能デバイスの形成に関し検討を進めているが,本年度は主に以下の2つの成果が得られた.
(1)金属ナノドットアレーの精密幾何学形状制御による光電場増強場構築
規則ポーラス構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナにもとついて,光電場増強を実現可能なナノ・マイクロ空間の構築について検討を加えた.三角形や四角形の開口形状を有するポーラスアルミナメンブレンを作製し蒸着マスクとして用いることで,所望の基板上に三角形や四角形の金属ナノドットアレーを作製した.作製したドットアレーのSERS基板への適用について検討したところ,三角形状のドットにおいて強いSERS信号が検出された.
(2) 新規3次元光電場増強場の構築
マスクプロセスにもとづく新規3次元光電場増強場の構築について検討を行った.ポーラスアルミナメンブレンを蒸着マスクとして金属と誘電体を交互に積層させることで,垂直方向に積層したナノドットの形成が観察されだ.積層ナノドットがSERS基板として機能することを確認した.また,Alを異方性エッチングすることで得られるエッチドAl箔にもとづくマイクローナノピラーアレー複合構造のピラー形状制御について検討を加えた.
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