| 研究概要 |
本研究では,金属微粒子とその集合体による光電場の局在化や空間的振動が周囲の物質系とどのように相互作用を起こすか,またそれが光-分子強結合反応場に及ぼす影響について,近接場光学イメージングの手法によって明確な根拠を与え明らかにすることを目的とし,主として以下の項目を推進する。
(1) 近接場イメージング手法を用い,金属ナノ構造における電場の空間分布に関する基礎的研究を行うと同時に,光(あるいはプラズモン等の素励起)と強結合した分子の過渡的応答を分光学的に検出する方法を開発する。それにより局所的な強い光電場を発生させるための構造設計指針を実証的に検討し,光-分子強結合場を解析する基礎手法を創る。他のグループで作成した金属ナノ構造へこれらの手法を適用する。また,光電変換系における微粒子プラズモンによる増強光電変換に関する近接場測定による研究を進め,金属ナノ構造の状態と増強の相関を解析する。
(2) 超高速過程のイメージングを通じた光-分子強結合場のダイナミクスの研究手法としての確立を図る。微粒子プラズモン間の相互作用を時間領域で観測する手段としての有効性を検討する。
(3) 試料のナノ形状を原子間力顕微鏡で計測しつつ,ファーフィールド光学系での試料の非線形光学応答を同時に調べるシステムを構築し,光-分子強結合場の設計評価に,近接場イメージングと相補的な方法として用いる。
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