研究領域 | 光―分子強結合反応場の創成 |
研究課題/領域番号 |
19049016
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
西井 準治 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主幹研究員 (60357697)
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研究分担者 |
金高 健二 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究員 (50356911)
田和 圭子 産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (80344109)
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キーワード | 周期構造 / 表面プラズモン共鳴 / 蛍光顕微鏡 / 増強蛍光 / 格子カップリング / ナノインプリント |
研究概要 |
表面プラズモン共鳴場やエキシトンのエネルギーの局在化には、回折格子、フォトニック結晶、極微導波路等の利用が有望である。我々はこれまでに、金薄膜の表面プラズモン共鳴場を利用した人工生体膜の高感度蛍光検出や、シリコンナノ粒子の局在エキシトンを使った希土類イオンの高効率発光等の研究に取り組んできた。 本研究では、金属薄膜表面に形成されるプラズモンエネルギーや半導体ナノ粒子に生成するエキシトンエネルギーと、波長レベル以下の周期構造とを組みあわせた、化学反応に関わる微弱信号の高感度検出あるいは信号増幅のための素子化技術について検討することを目的とする、特に、表面プラズモン共鳴を利用した表面や界面の高感度検出技術の構築を目指し、波長レベルの周期構造と金属薄膜との組み合わせで生まれる表面プラズモン励起増強蛍光を使って、化学反応場等のその場解析に有用な超高感度二次元蛍光計測システムを構築することを目指している。 まずは、波長オーダーの周期構造を基板表面に作製した。ガラス基板に対しては、現有的紫外線レーザーを用いた干渉露光や電子ビーム描画、プラスチック基板に対しては、熱的なのナノインプリントによる転写を行った。目標とした3mm^2の面積で均一な周期構造を作製することができ、これに金属薄膜をコーティングした。プラズモン場の強度を強めるために、周期構造の周期と深さの最適化も行うことができた。 作製した周期構造基板上に蛍光標識バイオ物質(抗体や蛋白質等)を結合させ、蛍光強度を定量評価することで、電場増強度を解析した。また計算機シミュレーションとしてFDTDやRCWAによる計算を併用し、構造と電場増強度の関係をより明確にすることができた。 そしてこの基板を用いて、蛍光標識細胞の増強蛍光による蛍光顕微鏡画像も得ることができ、超高感度二次元蛍光計測システムとして通常の24倍という増強度を示すことができた
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