計画研究
本特定領域研究では、配列ナノ空間を有する物質群の伝導・磁気物性を研究した。H19年度では、純粋なIV族元素(C,Si,Ge)を構成要素として形成されるナノ配列空間を有する多面体ネットワーク物質の電気伝導と熱伝導を中心に研究した。多面体をネットワークとして組み合わせてできる固体は配列ナノ空間を有し、その配列ナノ空間の中にアルカリ金属元素(Na,K,Rb,Cs)、アルカリ土類金属元素(Sr,Ba)、磁性元素Euなど種々の元素を導入することができる。その結果として伝導ならびに磁性に極めて興味深い電子物性を発現する事が知られている。これらのクラスタからなるネットワーク固体の物性は、これまで個々には研究されてきたが、まだ断片的な理解しか達成されていない。本年度では、種々の伝導と磁性を中心として電子物性を詳細に検討して、物性と構造との関係を総合的に理解することに注力した。本目的のために、従来保有している設備を用いて、様々な物質の物性を測定する一方、多目的使用のグローブボックスを導入して、大気中で不安定な物質まで含めて種々の物性を合成し、同時に物性が測定できるシステムを構築した。この合成・測定一環システムの導入により、高精度に種々の物質を合成し、また合成した物質の電子物性を測定できるようになった。このような真空一貫測定システムにより、種々のクラスタネットワーク固体から得られる物性データに基づき、基本的理解を進め次年度からの展開をはかる予定である。
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http://sspns.phys.tohoku.ac.jp/