研究領域 | 配列ナノ空間を利用した新物質科学:ユビキタス元素戦略 |
研究課題/領域番号 |
19051002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺内 正己 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30192652)
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研究分担者 |
津田 健治 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00241274)
小形 曜一郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90400423)
佐藤 庸平 東北大学, 多元物質科学研究所, 教育研究支援者 (70455856)
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キーワード | 解析・評価 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
(1)ボロンナノベルトは、α-tetragonal-boron構造を有すると推測されている。これを明らかにするため、電子顕微鏡像と電子回折図形により結晶性の評価を行ったところ、α-tetragonal-boron構造と明らかに異なる結晶も含まれているものの、大半の領域はα-tetragonal-boron構造として回折波の指数付けが可能であることが明らかになった。次に、結晶対称性に最も感度が高い収束電子回折法を用い、単結晶領域から[010]入射の回折図形の取得を行った。回折強度分布を詳細に調べたところ、ほぼ2回回転対称および2種の鏡映対称を示していることから、ボロンナノベルトの大半の領域は、α-tetragonal-boron構造と結論づけた。 (2)ゼオライトを鋳型として合成されたゼオライトカーボンは、作製条件によっては窒素吸着に対し炭素材料としては最大の3000m∧2/g以上の表面積を有する。電子顕微鏡でゼオライト様の周期チャンネル構造を確認した後、電子励起X線発光スペクトルの測定を行った。ゼオライトカーボン材料から得たC-K発光スペクトルのσ発光ピークおよびπ発光ピークの強度分布を、同条件で測定した炭素同素体(ダイヤモンド、C60、グラファイト)のスペクトルと比較した結果、グラファイトとC60の両方の特徴を有していることが明らかになった。これはゼオライトカーボン材料が曲率を持ったグラフェンシートからなっていることを示唆しており、X線回折、ESRなどの他の測定結果らの予想と一致することが確認された。
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