研究概要 |
山中昭司(研究代表者)クラスレート系化合物の探索,合成,超伝導特性評価 1. M-Al-Si(M=アルカリ,アルカリ土類金属)三元系新規クラスレートの高圧合成と超伝導特性:Ca-Al-Si,Sr-Al-Si,Mg-Al-Siの3元系において,高温高圧合成を行った。Mg(Mg_xAl_<1-x>)Siなど,新規高圧相を発見し,超伝導体となることを明らかにした。 2. 炭素クラスレートの高圧合成:Baをすき間に含むBa_3C_<60>を出発物質として,高圧処理により,金属を内包する炭素3次元ネットワークの構築を目指した。5GPa,900℃では,非晶質であるが,ビッカース硬度1800を有する電気良伝導性の固体が得られた。 3. タイプII型シリコンクラスレートNa_xSi_<136>単結晶の高圧合成に成功し,X線構造解析を行った。大きいSi_<28>16面体ケージに2個のNa原子が含まれており,液体窒素温度以下の低温では,その配列の規則性から,結晶構造の空間群はFd-3mからP2_13に変化することを明らかにした。 高畠敏郎(連携研究者)クラスレート構造を利用する高効率熱電変換物質の研究 1. タイプVIII構造Ba_8Ga_<16>Sn_<30>の熱電変換性能の向上を目指して,カゴ原子をCu及びZnによって置換し,キャリア密度を調整した単結晶を育成した。無次元性能指数ZTの最高値をCu置換で1.35,Zn置換で0.9まで540K付近で高めた。 2. 熱電変換素子に必要とされるp型とn型の大型結晶の育成のために,ブリッジマン法とフラックス法を組み合わせることで,6mm以上の結晶育成方法を確立した。
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