研究領域 | 配列ナノ空間を利用した新物質科学:ユビキタス元素戦略 |
研究課題/領域番号 |
19051013
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90130872)
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研究分担者 |
望月 大 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (90434315)
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キーワード | メソ多孔体 / ユビキタス元素 / ナノ空間 / シリカ / マイクロ波加熱 |
研究概要 |
粒径10~20nmのコロイダルシリカナノ粒子は集積化させることにより特異なナノ空間を粒子に生成させることができる。本年度成果としては以下の4点があげられる。1)トリスヒドロキシアミノメタン(THAM)がテトラエトキシシランの加水分解・重縮合の適切な触媒となることを示した。加えてと、THAM自体が効果的な炭素源になることを見出した。秩序正しく三次元に集積したシリカ粒子を鋳型として、別の炭素源を添加することなく高秩序のメソポーラス炭素の合成にも成功しでおり、新たな空間創製を明示できた。2)メソポーラスシリカが炭酸カルシウムの多形制御に効果的に影響を及ぼすことを初めて明らかにした。CaCO3の多形のひとつであるバテライトがKIT-6型メソポーラスシリカの存在下で選択的に生成した。さらに、非晶質炭酸カルシウムがメソポーラスシリカ表面で安定化することも見出した。粒径の異なるシリカナノ粒子集合体などを用いた結果などとの比較検討をふまえ、シリカ表面の多孔構造が多形の制御に大きく影響することを示した。3)[001]結晶面が多く露出したチタン酸粒子を用いて、電荷移動特性を評価した。001面が多く存在するチタン酸は、球状の特定結晶面を示さない粒子に比べ、速い電荷移動特性を示し、光触媒反応や色素増感太陽電池などへの応用に期待できることを示すことができた。4)酸化チタンおよび酸化スズを用いた色素増感水素生成に関して、メタノールおよびトリエチルアミンの電子ドナーの影響について調査した。半導体の種類により、吸着状態が変化し、電子ドナーの分子の違いが水素生成に大きく影響することを明らかにした。
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