研究領域 | 配列ナノ空間を利用した新物質科学:ユビキタス元素戦略 |
研究課題/領域番号 |
19051014
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
高野 義彦 物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, グループリーダー (10354341)
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研究分担者 |
横谷 尚睦 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90311646)
山口 尚秀 物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, 主任研究員 (70399385)
津田 俊輔 物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 若手独立研究者 (80422442)
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キーワード | カーボン / ナノチューブ / ダイヤモンド / 金属 / 絶縁体 / 半導体 / ナノ材料 / 超伝導 |
研究概要 |
ホウ素の濃度を系統的に変化させた炭素材料として、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラファイト試料を作成し、金属-非金属転移や電気物性に及ぼす影響を検討した。 カーボンナノチューブをエレクトロニクス応用するために、電気伝導度の高いカーボンナノチューブが求められている。しかし、カーボンナノチューブは、カイラリティに依存に依存して、半導体になったり金属になったり伝導性が変化してしまう。さらに、カイラリティを制御した合成が試みられているものの、未だ成功していない。そこで、我々は、ホウ素ドーピングによりキャリアをドープし、高い電気伝導性を示すカーボンナノチューブの合成を試みた。まず、ホウ素ドープカーボンナノチューブを、ホウ酸を溶かしたメタノール溶液からCVD法により合成する新しい合成手法を開発した。実験では、マルチウォールのカーボンナノチューブを合成し、1本のカーボンナノチューブの物性が測れるよう、十分に長い試料を作成した。原料のホウ酸の濃度をコントロールして、カーボンナノチューブに取り込まれるホウ素濃度の制御を試みた。ラマン分光により、仕込みのホウ素濃度が増加するに従い、Gバンドのラマンシフトが増加する傾向が見られ、キャリアが導入されていることを示唆している。電気伝導率の測定から、ホウ素がドープされたカーボンナノチューブは、ノンドープのものより電機抵抗率が低く、低温でも局在しないことが明らかになった。
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