計画研究
配列空間を有する様々な物質、例えば、ホウ素ドープダイヤモンド、ホウ素ドープカーボンナノチューブ、Caドープグラフアイト、鉄セレン化合物などについて研究を進めている。ホウ素や陽イオンをドープし、キャリアを制御することを狙っている。ホウ素ドープダイヤモンドはこれまでマイクロ波CVD法で合成してきた。この方法は、ホウ素ドープカーボンナノチューブの合成にも応用可能であると考え、新たにマイクロ波CVD法でのホウ素ドープカーボンナノチューブ合成を試みた。触媒に鉄のナノ微粒子を用い、プラズマ強度を制御する工夫を施したところ、ホウ素ドープカーボンナノチューブの大量合成に成功した。特に興味深い点は、基板に垂直に高密度たナノチューブを成長することに成功した事である。これまでの熱CVD法では高密度垂直成長には成功しなかった。この違いは、マイクロ波の原料分解能力にあると思われるが、同時に、マイクロ波が成長したナノチューブを再分解してしまうため、マイクロ波を原料は分解するがナノチューブを分解しないよう工夫することが重要であることが分かった。また、今年度新たに発見された鉄系超伝導体は、鉄とカルコゲンがつくる独特の配列空間が新しい超伝導を担っており、我々は関連物質に、新たな超伝導物質を探索している。なかでも、単純な構造を持つFeSe, FeTe系に着目した。FeSeは圧力下でTcが急激に上昇することを新たに見出した。さらに、FeTeにSをドープすることにより、Tc=10Kの新しい超伝導体を発見することに成功した。今年度は、半導体に起こる超伝導をテーマに国際会議を主催し、多くの参加者と意見交換が出来た。
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