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2007 年度 実績報告書

フラストレーションとカイラリティ

計画研究

研究領域フラストレーションが創る新しい物性
研究課題/領域番号 19052006
研究機関大阪大学

研究代表者

川村 光  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)

研究分担者 谷口 年史  大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80207183)
吉野 元  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50335337)
萩原 亮  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70198654)
出口 博之  九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30192206)
キーワードフラストレーション / カイラリティ / フラストレート磁性 / スピングラス / カイラルグラス / 超伝導セラミックス / 異常ホール効果 / モンテカルロシミュレーション
研究概要

カイラリティとは、秩序状態の構造が局所的に右手系か左手系かを表す自由度として定義されるが、近年のフラレート系研究の急速な進展に伴い、カイラリティが系の諸物性に新奇な効果に大きな関心が寄せられている。本課題は、スピングラスやパイロクロアA2B2O7等のフラストレート磁性体と銅酸化物超伝導セラミックスを対象とし、数値シミュレーションを主とした数値・理論研究と、ホール測定・磁気電気測定・フラックス観察を主とした実験研究の有機的連携により、物性研究にカイラリティ・コンセプトに基づく新たな地平を拓くことを目的としてスタートしている。19年度の成果は以下の通りである。カノニカルスピングラスのホール測定については、ランダム異方性の強さを系統的に変化させた試料に対しホール係数を精密測定することにより、異常ホール係数を系のカイラル帯磁率と結びつける理論の正当性を検証することに成功した。同時に、系のカイラル帯磁率の履歴成分がランダム異方性の強さに比例して変化するのに対し転移温度はランダム異方性の強さに弱くしか依存しないことを実験的に確認した。この測定結果は、スピングラス転移のカイラリティ機構のシナリオを支持するものである。理論面においても、カノニカルスピングラスの標準理論モデルである3次元ハイゼンベルグスピングラス模型に対して、スピン-カイラリティ分離の有無を確認すべく大規模数値シミュレーションを進め、カイラリティ機構のシナリオと調和的な結果を得ている。超伝導セラミックスのカイラルグラス秩序の検証実験においては、良質のセラミック試料を作成し、臨界現象を伴った熱力学的なグレイン間相転移現象の存在を実験的に確認することに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ordering of the pyrochlore Ising model with the long-range RKKY interaction2008

    • 著者名/発表者名
      Atsushige Ikeda
    • 雑誌名

      Phys. Soc. Jpn 77

      ページ: 073707/1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phase Separation in La_(1-x)_Sr_(x)_MnO_(3+δ)_Nanocrystals Studied by Electron Spin Resonance2008

    • 著者名/発表者名
      T. Tajiri
    • 雑誌名

      Phys. Soc. Jpn 77 (No. 7)

      ページ: 074715/1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Step-wise responses in mesoscopic glassy systems : a mean field approach2008

    • 著者名/発表者名
      Hajime Yoshino
    • 雑誌名

      Phys. Rev B77

      ページ: 104429/1-37

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.frustration.jp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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