計画研究
特定領域研究
本研究は幾何学的フラストレーションを内在する物質において自由度の複雑な絡み合いの結果生じる新機能・物性、特にスピン・軌道複合液体状態やスピン・電荷複合液体状態、それに付随する機能を発掘することを目指している。フラストレーションを内在する物質では巨視的な縮重度が低温まで残るが、2つ以上の自由度が結合することで系は縮重を解き、秩序化に至る。しかし、自由度の結合によるフラストレーション抑制は微妙なバランスの上に成り立っているため、通常の秩序系に比べて電場・磁場などの外場に対する応答が非常に顕著である。このような自由度の絡み合いと「やわらかさ」の協奏現象が本研究のターゲットである。多自由度フラストレート系から巨大応答機能を発信することが最終目的である。本研究では、申請者らがこれまで手がけてきたスピン-格子結合系の研究を推進すると同時に、スピン-軌道結合系、スピン-電荷結合系を重点課題として、多自由度フラストレート系の機能開拓をさらに展開させたい。スピン-格子結合系では巨大磁歪や負の熱膨張を示す物質の設計、スピン-軌道結合系では、LiNiO_2を含む関連層状化合物中にエキゾチックな軌道自由度の液体状態(スピン・軌道複合液体状態)を探索する。一方、スピン-電荷結合系では、重い電子系酸化物LiV2O_4を含む関連物質中にエキゾチックな電荷・スピン複合液体状態を探索し、巨大熱起電力特性を見出したい。
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