研究分担者 |
溝口 照康 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422334)
柴田 直哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10376501)
阿部 英司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70354222)
着本 亨 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 講師 (50346087)
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研究概要 |
本年度は, Al203界面, TiO2表面, SrTiO3界面, Au/TiO2触媒界面, SiC/電極界面, NbSi2積層欠陥, およびLaNi5における機能発現機構を, 原子分解能STEM観察及び第一原理計算を用いて解析した. Al203界面に関しては, 希土類ドーパントを界面部に添加し, 偏析粒界を人工的に作製する技術を確立した. これらのモデル界面に対して収差補正STEM法と理論計算を適応した. その結果, 粒界には特異な配位環境を有する原子サイトが周期的に存在しており, このようなサイトに密接に関連して機能元素の偏析が起こることがわかった。 TiO2, SrTiO3界面においても同様の解析を行い, 粒界における酸素が構造安定性に重要な役割を果たしていることが分かった. また, 界面近傍における構造解析から, サイト毎に応力場が変化し, 欠陥形成挙動が変化することを突き止めた. またAu/TiO2界面に関してもAuナノ粒子のサイズ変化に伴い大きく原子構造が変化する様子を捉え, TiO2表面の原子構造を完全決定することに成功した. wを添加したNbSi2の転位芯においては, W置換サイトや局所歪み分布の定量解析に成功した.さらに, 長年その正体が不明であったLaNi5化合物の水素吸蔵-放出に伴い生成する高密度の面上欠陥について, これらが空孔濃化により生じている極めて特徴的な欠陥構造であることを突き止めた. また, 次世代パワーデバイス用4H-SiC半導体上に作製した低抵抗TiAl系電極界面の原子構造や結合状態を解析し、電極は原子レベルで平坦なTi_3SiC_2/4H-SiCヘテロエピタキシャル界面が形成しており、界面における安定なSi-C-Si結合形成によりショットキー障壁の低減化(低抵抗電流輸送) が発現したと推察された。
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