本研究領域は、格子不整合領域におけるナノ機能元素の材料機能発現メカニズムを明らかにし、材料設計・創出に応用する基礎・基盤を確立することを全体目的としている。ナノ機能元素は、通常材料内部・表面における局所的な偏析状態を指し、その実験的検証にはサブナノレベルの高精度な構造解析技術が必要不可欠である。そこで、本計画研究では高分解能透過型電子顕微鏡法(HRTEM)、走査型透過電子顕微鏡法(STEM)などの最新電子顕微鏡技術を駆使し、ナノ機能元素の構造を原子・電子のスケールから実験的に検証し、機能発現の本質を明らかにすることを目的としている。特に、STEM法の近年の進展は目覚しく、材料内部におけるドーパント位置を単原子レベルで決定できるまでに洗練されつつある。本研究班では、このような最新局所解析ツールを積極的応用し、サブナノ領域の物性、機能特性発現機構及びこれらを制御するキーファクターの抽出を行い、本領域の理論、プロセス各班との綿密な連携の下に研究を展開し、ナノ機能元素材料科学の基礎確立へと昇華させることを最終目標としている。
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