計画研究
本研究の目的は、高エネルギー電子を目標の格子特異点に絞り、その場所の電子状態を定量的に計測・評価そして可視化するという新規材料創出にとって不可欠な基盤技術を確立することにある。そのために、主として(1)最近の放射光を用いても原理的に困難な、ナノ領域における材料内部の軟X線領域複合分光をするシステムを確立すること(2)上記システムにおいて、特定の原子面、界面などにプローブ電子を局在(電子チャネリング)させる位置選択的な電子状態を実際の化学反応場でその場測定すること、(3)以上を特に金属微粒子触媒-担持基板の各面反応、機能元素のナノレベル可視化、遷移金属の電子状態規則配列の直接測定などへ応用することを目的とした。本年度は、昨年度開発に成功したTEM用波長分散型X線分光器(TEM-WDX)、位置選択的電子状態測定法、及びスペクトラムイメージング(SI)の多変量解析法(MCR)を応用したナノ構造解析を行った。主として(1) 電子チャネリングを利用したTEM-WDXによる価電子帯状態密度の位置選択的測定を(1) 強相関電荷秩序物質、(2) スピネル型先端セラミックスへの応用、(2) SI-MCR法を(1)白色発光する炭素化ポーラス酸化シリコンナノ構造、(2)リチウムイオン二次電池正極材料のリチウム、(3)窒素添加した可視光応答型酸化チタンへと応用し、ナノメートルサイズでの軽元素の化学結合状態とその空間分布の可視化を行った。(3)位置敏感EELS測定による貴金属微粒子触媒の担持セラミックスとの界面状態の解明を試みた。これについては明確な解答が得られておらず今後継続される。またこれらの成果発表として6月末に名古屋で国際シンポジウムおよびこのサテライトワークショップを開催し、招待講演を行った。
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