研究領域 | 機能元素のナノ材料科学 |
研究課題/領域番号 |
19053005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (70183861)
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研究分担者 |
寺嶋 孝仁 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (40252506)
大谷 博司 九州工業大学, 工学部, 教授 (70176923)
松永 克志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20334310)
吉矢 真人 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00399601)
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キーワード | 第一原理計算 / 統計熱力学 / 自由エネルギー / 表面・界面 / 状態図 |
研究概要 |
先端材料が持つ特異な機能の多くは、材料に内在する機能元素が起源となっている。よって機能元素を如何に巧みに制御するかが新材料開発のポイントであり、そのための材料設計技術の確立が望まれる。本研究では、最先端の第一原理熱力学計算法を駆使し、現実の材料系における機能元素の局所環境や電子構造を、与えられた温度、圧力、化学ポテンシャルの下で高精度に計算し設計する技術の開発を目指した。第一原理熱力学計算法とは、第一原理に基づいて自由エネルギーの温度依存性を求めるものである。このシナリオを実現するため、効率的かつ高速な計算アルゴリズムを確立するとともに、検証実験からのフィードバックを取り入れた。 本年度は、機能元素の理論予測技術の体系化のため、構造評価および分光実験の結果に基づいて、前年度までに構築した第一原理熱力学計算の技法やモデルの洗練を行った。この際、計測・合成班からの情報も確実に取り入れることにより、機能元素、表面、界面およびこれらの組み合わせによる複雑構造について、信頼性の高い理論予測技術を確立した。また、酸花物表面上の機能元素の拡散挙動の解明、酸化物結晶粒界における酸素空孔・機能元素の分布プロファイルの決定、半導体合金のバンドギャップの組成および温度依存性の理論予測など、その応用例を示した。得られた成果の総括により機能元素の本質を体系化し、材料開発における汎用的な学理・設計基盤として提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の最終目的である第一原理熱力学計算に基づいた機能元素の材料設計において、その鍵となる計算手法の開発が当初計画以上に進展した。また、これを他班との密接な連携の下で広範な材料系に適用することにより、その有用性を示せた。
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