先端材料が持つ特異な機能の多くは、材料に内在する機能元素が起源となっている。よって機能元素を如何に巧みに制御するかが新材料開発のポイントであり、そのための材料設計技術の確立が望まれる。本研究では、最先端の第一原理熱力学計算法を駆使し、現実の材料系における機能元素の局所環境や電子構造を、与えられた温.度、圧力、化学ポテンシャルの下で高精度に計算し設計する技術の開発を目指す.第一原理熱力学計算法とは、第一原理に基づいてエンタルピーやエントロピーを算出し、自由エネルギーの温度依存性を求めるものである。このシナリオを実現するためには、効率的かつ高速なアルゴリズムを確立するとともに、検証実験からのフィードバックを確実に取り入れることにより計算技法やモデルを洗練することが不可欠となる。本研究では、計算と実験の緊密な連携のもとで、表面、界面などの格子不整合領域の機能元素について高精度な理論予測を行うための第一原理熱力学計算手法を確立する。
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