研究分担者 |
和田 匡史 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 副主任研究員 (30426506)
松平 恒昭 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (10466287)
佐々木 優吉 財団法人ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 主席研究員 (40426507)
森分 博紀 財団法人ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 主任研究員 (40450853)
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研究概要 |
1.超高温耐環境性被膜の開発 ガスタービン等内燃機関のさらなる高温燃焼化の要求に伴い,超高温燃焼環境下で作動する耐熱性部材を腐食(酸化、蒸発等)から保護する被膜の開発が切望されている。この被膜は耐熱性に優れる非酸化物系基板に被覆されるため,使用環境下において急峻な酸素や水蒸気ポテンシャル勾配下に曝される。H19年度は,被膜候補材の一つであるアルミナ膜の酸素遮蔽性を超高温の酸素ポテンシャル勾配下において評価した結果,膜を介した酸素透過が粒界で進行すると共に,支配的となる拡散種が酸素分圧に依存することを示した。さらに,この現象を評価解析に活用することで,高温化学プロセスにより粒界に偏析させたランタノイド元素には,酸素イオンの易動度を抑制する機能があるが、アルミニウムの易動度には影響しないことを明らかにした。 2.高配向ナノ細孔材料の合成およびナノ材料加工技術の開発 電子線照射によるAg型ゼオライトの非晶質化過程においてAgクラスターが規則配列する現象が観察された。これは,ゼオライトの非晶質化にともなって結晶骨格内で負に帯電していたAl^-と隣接していたAg^+との間で電子がやりとりされ,静電的に中性化したAgが互いに凝集してサブナノサイズのクラスターを形成する現象を捉えたものと考えられる。一方,ゼオライトに100MeV以上の重イオン照射を行うと,照射イオンの飛程に沿ったナノサイズのカラム状欠陥(非晶質層)が作られ,それら欠陥構造の形態を阻止能をパラメータとして制御可能であるとの見通しを得た。これら二つの実験結果は,Ag型ゼオライトへの高エネルギー重イオン照射によって,Agクラスターのナノカラムが形成されることを示唆している。
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