研究領域 | 機能元素のナノ材料科学 |
研究課題/領域番号 |
19053009
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研究機関 | 財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
北岡 諭 (財)ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (80416198)
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研究分担者 |
和田 匡史 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 副主任研究員 (30426506)
松平 恒昭 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (10466287)
佐々木 優吉 財団法人ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 主席研究員 (40426507)
森分 博紀 財団法人ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 主任研究員 (40450853)
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キーワード | 被膜 / アルミナ / 拡散 / 粒界 / ゼオライト / 粒子線照射 / 透過電子顕微鏡 / Agクラスター |
研究概要 |
1. 超高温耐環境性被膜の開発 ガスタービン等内燃機関のさらなる高温燃焼化の要求に伴い、超高温燃焼環境下で作動する耐熱性部材を腐食(酸化、蒸発等)から保護する被膜の開発が切望されている。この被膜は耐熱性に優れる非酸化物系基板に被覆されるため、使用環境下において急峻な酸素や水蒸気ポテンシャル勾配下に曝される。H20年度は、被膜候補材の一つである多結晶アルミナ膜中の物質移動機構が酸素ポテンシャル勾配の度合いに依存して支配的な拡散種が変化することを利用して、これまで不明であった多結晶アルミナ中のアルミニウムの粒界拡散係数を決定する方法を確立した。また、添加元素が酸素とアルミニウムのどちらの移動を効果的に抑制するのかを明らかにした。さらに、アルミナフォーミング合金の耐酸化性の支配因子であるアルミナ保護膜の多形を制御する方法として、熱力学平衡計算により予測した合金酸化時の酸素分圧制御が極めて有効であることを示した。 2. 高配向ナノ細孔材料の合成およびナノ材料加工技術の開発 H20年度は、セラミックス基板上に一次元配向させたゼオライト膜の合成方法を確立すると共に、基板表面の僅かな凹凸がゼオライト結晶粒子の配列に大きく影響を及ぼすことを示唆した。このことは、イオン照射等の粒子線照射を手段として表面に適切な凹凸を施すことによって、基板に対して特定の結晶面を向けたゼオライト微結晶を任意の模様にパターンニングできる可能性を示すものである。一方、Na型LTAゼオライトをAgイオンでイオン交換してAg型LTAゼオライトとし、これにAu-200MeVの高エネルギーイオン照射実験を実施した。イオンの照射密度が1×10^<12>ions/cm^2以上になるとLTAゼオライトは非晶質化した。この結果から、1個のAu-200MeVイオンがLTAゼオライトに形成する欠陥が約15nm〜20nm程度であろうと推測された。この実験結果を基に、Ag型LTAゼオライトへのAu-200MeV粒子の適正照射量を検討した結果、Au-200MeVの照射条件では1×10^<11>ions/cm^2が適当であることを見出した。
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