研究分担者 |
佐野 正人 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40344816)
大久保 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40203731)
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50312997)
塩見 淳一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40451786)
千足 昇平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (50434022)
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研究概要 |
合成時における単層カーボンナノチューブのカイラリティ制御のためには,成長の核となるナノサイズの触媒微粒子の構造制御,および合成条件の詳細な制御が必要になる.触媒の種類や,触媒への酸化・還元処理などの単層カーボンナノチューブ構造への影響を詳細に分析,検討を行い,非常に直径の細いもの合成や直径分布の制御に成功した. 単結晶水晶基板の表面構造を利用した単層カーボンナノチューブの基板上水平配向成長について分析・検討を行った.特定の結晶面を用いることや,基板に対する事前の化学処理・アニーリング処理が,単層カーボンナノチューブの水平配向成長に大きく影響を与えることが明らかとなった.さらに水晶基板におけるR-cut基板が,非常に高い配向性を与えることを見出し,単層カーボンナノチューブの基板上での水平配向成長のメカニズムを検討した. また,予め直径分布やカイラリティ分布をできるだけ狭くし合成したサンプルを,更に分離・精製する技術の開発を進めた.密度勾配遠心分離法において,異なる特性の界面活性剤を組み合わせることで,単層カーボンナノチューブ直径の詳細な分離や,半導体性と金属性の2つの異なる電気伝導特性に基づく分離を実現した. 一方,コンビナトリアル触媒探索技術を用いた触媒条件と反応条件の同時最適化により、アルコールを原料に単層カーボンナノチューブのミリメータ長尺成長を実現した。但し、直径も同時に増大してしまうため、カイラリティ制御には課題が残る。更に、微細ゲート電極をコンビナトリアル手法でのマスクと見立て、触媒のミクロな勾配を作製、ゲート直下に選択的に単層カーボンナノチューブを起毛させることで、駆動電圧25Vで10mA/cm^2という低電圧・高電流なフィールドエミッタを実現した。
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