研究領域 | カーボンナノチューブナノエレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19054006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水谷 孝 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70273290)
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研究分担者 |
岸本 茂 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10186215)
大野 雄高 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10324451)
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キーワード | 光電子複合素子 / 開放電圧 / 光照射電流 / グラフェンコンタクト / Auコンタクト / CNT-CNT間の接合抵抗 |
研究概要 |
1.電界注入型発光素子の作製技術の改良に取り組み、pn接合を示す整流特性を実現した。また本素子から発光半値幅が50meVと比較的狭い良好な発光を観測し、光電子複合素子としての基本動作を確認した。さらに本素子に光を照射し、300mV程度の開放電圧を確認するとともに、光照射電流の検出に成功した。 2.光電子複合素子の高性能化にはp型およびn型の導電型制御が重要である。この目的でAuコンタクトの場合の導電型を詳細に調べ、真空アニール後は従来の報告例と異なるn型伝導を確認し、その原因が、Au/CNT接合におけるAuの実効的な仕事関数の低下にあることを明らかにした。n型伝導はナノチューブの直径に依存しており、直径が細い場合に顕著であること、直径が太い場合は、バンドギャップが狭いため、両極性になりやすいことを明らかにした。 3・素子高性能化を目的にグラフェンをコンタクトとすることを試み、コンタクトの作製に成功するととともに、大気中でp型、真空アニール後は両極性伝導を示すこと、グラフェンコンタクトのフェルミレベルは禁制帯中央よりわすかに下に来ることを明らかにした。 4.H22年度より本特定のテーマとなったカーボンナノチューブ薄膜トランジスタについては、その特性を支配する要因であるCNT-CNT間の接合抵抗を、導電型プローブ顕微鏡を用いて評価し、数10MΩと高い値が求まった。この低減が素子高性能化にとって重要であることを示した。
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