研究領域 | カーボンナノチューブナノエレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
19054010
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40283626)
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研究分担者 |
小林 圭 京都大学, 産官学連携本部, 助教 (40335211)
野田 啓 京都大学, 工学研究科, 助教 (30372569)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 密度勾配遠心分離 / 誘電泳動 / 3次元フォースマップ / 表面電位計測 / AFMポテンショメトー / 走査ゲート顕微鏡 / 高分解能マルチプローブ計測 |
研究概要 |
絶縁基板上のカーボンナノチューブ(CNT)の表面電位計測においては、絶縁基板上にしばしば存在する表面電荷や束縛電荷が大きな背景静電気力の起源となるため、結果的に絶縁基板上の表面電位測定の精度・分解能を著しく低下させる。この静電気的な背景力の影響を低減することを目的として、これまでに、試料近傍のポテンシャル空間分布をマッピングすることが可能な、周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)に基づく「3次元バイアスフォースマッピング法」を開発し、実際に、CNTチャネル近傍のポテンシャル空間分布を測定した。測定された空間ポテンシャル分布は、AFM探針にはたらく背景力の影響を含んでいる。本年度は、上記手法による測定の結果と理論的な解析を対比することで、背景力を計算的に除去する、背景力補償のための表面電位計測解析法を開発した。これによって、背景静電気力の影響は大幅に低減し、表面電位測定の定量性を向上することが可能となった。実際にモデル試料系を用いて、CNTチャネル上の表面電位が正しく補正されることを確認した。 一方、同一のCNTデバイス試料に対して、FM-AFMをベースとする電気物性評価、高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)による原子レベル構造評価、PL測定などの多角的評価が可能になれば、デバイス開発に向けて多くの知見が得られるが、現状では、評価法に応じて要求される試料の仕様は大きく異なるため、同一の試料を測定することはできない。本年度は、上記同一CNT試料に対する多角的評価を可能にするため、CNTチャネル下の基板の一部が貫通した構造を検討し、実際に、この構造を作製するための微細加工プロセスを確認した。
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