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2007 年度 実績報告書

カーボンナノチューブバイオセンサー

計画研究

研究領域カーボンナノチューブナノエレクトロニクス
研究課題/領域番号 19054011
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 和彦  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80344232)

研究分担者 井上 恒一  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50159977)
前橋 兼三  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40229323)
大野 恭秀  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90362623)
キーワードカーボンナノチューブ / バイオセンサー / pH / アミノ酸 / アルギン酸 / 高感度検出
研究概要

カーボンナノチューブをチャネルとする電界効果トランジスタ(CNTFET)をバイオセンサーとして用いる場合、その感度を決定するのはCNTFETの感度のみならず、センシングする対象(溶液中のバイオ物質)のCNTFETへの流入状態が大きく関係する。従来われわれは、CNTFETチャネルの上にバスタブをシリコン樹脂で形成し、溶液中のバイオ物質を流入する手法を採用してきた。この手法は形成が容易なこと、バイオ物質の注入が容易なことで広く用いられている手法である。この手法で、アレルゲンの元凶であるガンマグロブリンE(IgE)の選択的な検出に成功してきている。ところがこの手法では溶液のpHの検出やアミノ酸の検出が不可能であった。これはバスタブのサイズが巨大であるためにバイオ物質がナノチューブに到達する時間、距離が大きくなるためであると考えられる。この問題を解決する手段としてマイクロ流路をCNTFET上に形成し、CNTFET上に形成される全体の容積を2桁以上減少させてバイオ物質の拡散距離を減少させ、実質的にバイオ物質の濃度を2桁以上増加させる手法を用いた。従来のバスタブの容量は375立方ミリメータであるのに対して、マイクロ流路の容量は2立方ミリメータであり、180倍以上容量を減少させたこれは実質的に溶液の濃度が180倍以上上昇したことに対応する。この手法を用いて溶液のpHを測定したところ、pH4の溶液中にpH9の溶液を滴下したところ電流の変化を600pAにわたる電流変化を検出し、pHの変化を検出することに成功した。PHの変化と電流変化のリニアリティーに関しては現在測定中である。またアミノ酸の一種であるアルギニン酸をバッファー溶液中に導入したところ、従来のバスタブの手法では検出できなかったにもかかわらず、本マイクロ流路を用いた手法では800pAにわたる電流変化を検出し、アルギニン酸の検出に成功した。
以上により、CNTFETを用いたバイオセンサーにおいて、マイクロ流路流路による実質的な濃度の濃縮が感度の向上に非常に重要であることが判明した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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