カーボンナノチューブを用いた電界効果トランジスタの研究が近年盛んに行われており、様々な要素技術の蓄積がなされ問題解決が計られてきてきた。今後シリコンを凌ぐ特性を有するこの高性能なカーボンナノチューブ電界効果トランジスタを何に応用すれば良いかが重要な研究課題となっている。「カーボンナノチューブ電界効果トランジスタが電荷に対して高感度である」という特長を活用した電気的計測によるバイオセンサーへの応用が、最適な応用の一つである考えられており、世界で活発に研究展開が計られている。 本研究は、微細な機能性カーボンナノチューブの特長を活用して、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタを超高感度センサーとして利用し、しかもシリコン集積回路に匹敵する小型化、集積化を目指す。これにより様々なバイオセンシングを超微量な検体で複合的に同時に、しかも蛍光の添加などの複雑な手続きや、レーザなどの大型の測定機器を必用とせず、電気的に簡便、迅速に計測できるシステムを本研究期間内に実証する。
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