本研究では、カーボンナノチューブの超微細性に着目し、量子効果を利用した新しいデバイスの基礎を築くことにある。量子効果は微小なデバイスほど顕著に出ることから、カーボンナノチューブは理想的な材料である。 本研究で目標とするデバイスは、単電子デバイス、単一スピン生成デバイス(スピン型量子ビット)、およびアンドレーエフ型量子ビット(磁束型量子ビットの一種)である。さらに、単電子デバイスに関しては、すでに個別デバイスが作製されていることから、その集積化の可能性を探索する。また、カーボンナノチューブにおいては、デバイスプロセスが全く確立していないことから、これらのデバイスを実現するためのデバイスプロセスや、カーボンナノチューブの大きな特徴である表面の化学修飾可能性を利用して、カーボンナノチューブと分子を化学結合(CNT/分子ヘテロ接合)かあらなる分子素ケールナノ構造の作製を目的とする。
|