本調整班の活動は、W-H研究会への協力、総括班主催の若手研究会への協力、及びAO1班、及びAO2班の研究の円滑な遂行のための密接な情報交換である。今年度は最終年度でも有り、これに加えて、国際学会にて総括的な発表を行なった。W-H研究会においては、W中の水素同位体挙動について、計画研究の垣根を越えて、情報交換や議論が行なわれた。A班からも混合イオンビーム照射がタングステン中の重水素挙動に与える影響について発表した。また若手研究会では、11件の発表がA班からなされた。その内容は、基礎実験、実機実験、及び理論、シミュレーションの多岐にわたり、多くの若手研究者が育っていることを示した。また、研究分担者とは、学会や研究会などで数回情報交換を行ない、本研究の総まとめの方向について議論を行なった。純粋なシミュレーションにより、材料混合の効果なども取り込んだ炉内リテンション量評価をAO2班が、タングステン中のトリチウム挙動の実験結果をベースとした解析をAO1班が行なった。特に、混合イオンビームによる透過実験の結果を生かして、実際の核融合炉複雑環境におけるトリチウム蓄積量のより精度の良い見積もりにつなげていく。また最終年度と言うことで、3つの国際学会(13thPFMC、10thISFNT、15thICFRM)にて、タングステン材料の開発、混合イオンビーム照射下での透過現象、及びタングステンのヘリウム照射効果について総括的なレビュー講演(招待講演)を行なった。
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