研究概要 |
特定領域「核融合トリチウム」では、定常核融合炉を安全かつ安定に運転するため、燃料トリチウムを150g/GWay(5.6x10^<16>Bq/GWday)回収・精製・貯蔵・注入し、施設からのトリチウム漏洩を国の安全基準を満足するように運転する必要がある.そのため回収率99,9%以上、漏洩阻止率1/1000以下の技術目標達成のため、ブランケット-トリチウム研究をシステム研究領域班B1と材料研究領域B2班で分け、本B3調整班を組織し緊密な関係で研究を実行して来た. 現在最も実現性が高く、世界的にもITER-TBMとして集約されるブランケット概念として固体酸化物Li_2TiO_3-水冷却方式、液体金属LiPb-He冷却方式、あるいは液体Flibe-He冷却方式を想定し、各概念で達成が必要な要素研究に集約して実験解析研究をおこなった。本科研費B班の代表的研究成果として、Li_2TiO_3の化学・中性子照射安定性を高めるためのLiリッチ化合物の製造法検討、中性子照射とトリチウム回収実証実験,LiPbの水素や重水素の混合状態溶解度、拡散係数、透過係数を求め、トリチウム評価に必要な同位体効果を明らかにした,各固体ブランケット方式のトリチウム透過率が予測され、トリチウム透過抑制のためのEr_2O_3膜が上記漏洩阻止率達成できる見通しを得た. 研究成果は、トリチウム国際学会、国内の原子力学会、プラズマ核融合学会等で発表され、数度開催された特定領域全体の成果報告会等で成果を取りまとめ、国際ジャーナルへ論文を投稿し、広く成果を公表した.平成23年度は本科研費の最終年度であり、最終とりまとめをおこないたい。
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