研究分担者 |
林 巧 , 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354678)
岩井 保則 , 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354610)
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 准教授 (00334714)
杉山 貴彦 名古屋大学, 工学部, 准教授 (90353440)
奥野 健二 静岡大学, 理学部, 教授 (80293596)
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研究概要 |
原子力機構においては、トリチウム水処理用化学交換塔の電解システムに使用する高分子材につき、耐酸性及び耐放射線性データを取得した。2年間にわたり高濃度硫酸に浸漬した結果、伸び率等の機械的特性に大きな変化が生じないことを明らかとした。1000kGyまでの電子線照射でも、電解膜のイオン伝導度及びOリングシールゴム材の柔軟性に大きな影響がないことを確認した。高濃度トリチウム水中(GBq/ccまで)における金属(SUS304)の腐食挙動の研究に関しては、防食上重要な金属表面の自然不動態化がトリチウム水によって阻害され、トリチウム濃度が高くなるほどその阻害が顕著に現れることを明らかにした。 名古屋大学においては、化学交換塔の充填長が60cmおよび100cm,水素ガス流量が5,6,8L/minの条件で、軽水素とトリチウム間の同位体分離実験を実施した。「通り抜け段モデル」による計算値と実測値がよく一致することから、モデルの妥当性を検証した。充填長100cm,水素ガス流量5L/minの条件では、19200という非常に大きなトリチウム分離係数を実現した。 富山大学においては、ポリプロピレン(以下,PPとする)中のトリチウム水の透過挙動及びPPへのトリチウム水の溶解量を測定し、PP中の透過の活性化エネルギー:10kJ/mol、PPへのトリチウム水の溶解エンタルピー:-30kJ/mol、拡散の活性化エネルギー:40kJ/molの基礎データを得た。 静岡大学においては、水素同位体透過に及ぼす金属酸化膜の組成に対する膜形成温度及び成分の影響についてデータを取得した。
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