研究領域 | 核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開 |
研究課題/領域番号 |
19055009
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山西 敏彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主席 (30354616)
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研究分担者 |
岩井 保則 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354610)
磯部 兼嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (00354613)
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 准教授 (00334714)
杉山 貴彦 名古屋大学, 工学部, 准教授 (90353440)
奥野 健二 静岡大学, 理学部, 教授 (80293596)
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キーワード | トリチウム水 / 化学反応 / 閉じ込め / 透過漏洩 / 同位体分離 / 有機化学 |
研究概要 |
原子力機構においては、高濃度トリチウム水の金属腐食挙動に関連し、573Kの高温重水を用いた金属界面(ステンレス鋼、純ニッケル、10ミクロン金メッキ純鉄)での基礎データを取得し、界面の腐食により水素が発生し、その水素が金属内へ侵入透過することを明らかとした。高濃度トリチウム水浸漬によるイオン電解質膜の劣化については、フェントン反応試験結果から、水の放射線分解により生じるラジカルに起因する間接的劣化反応は寄与せず、トリチウムβによるイオン電解質膜高分子の直接切断によることを明らかとした。高濃度T水による材料腐食の研究に関しては、高濃度T水のpHが異なる場合の腐食挙動について、電気化学的な手法を用いたデータを取得した。ステンレス鋼を酸性溶液中でカソード処理した後の腐食電位変化をトリチウム濃度と溶存酸素濃度をパラメータに調べ、トリチウムが存在すると不動態が形成されるまでにより多くの時間と溶存酸素が必要である事を明らかとした。 名古屋大学においては、水分膜分離法によるトリチウム除去システムの解析モデルを開発し、膜の水分インベントリーが温度等運転条件によって変化すること、大きな水分インベントリーで膜モジュールの過渡応答が遅いことを明らかにした。また、プロトン導電セルを応用したトリチウムモニターに関しても解析モデルを導出し、活性化エネルギー等を求めた。富山大学においては、セルロース中の水蒸気透過(透過率活性化エネルギー:5.4 kJmol^<-1>,頻度因子:2.4x10^<-9>cm^3(STP)cm cm^<-2>s^<-1>Pa^<-1>)、及びポリイミドを介した液体の水の移動(活性化エネルギー:42kJmol^<-1>)を測定することに成功した。静岡大学においては、ステンレス酸化膜における水素同位体滞留・放出挙動に関するデータを取得し、酸化膜内部・バルクに水素同位体が捕捉され、その放出過程は、酸化膜の分解に伴い変化することを解明した。
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