研究領域 | 分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解 |
研究課題/領域番号 |
19056001
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 朱鳥 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50218963)
|
研究分担者 |
前山 俊彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20250673)
松田 欣之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70400223)
|
キーワード | 水素結合 / 水 / 赤外分光 / クラスター / 質量分析 / 真空紫外光 / アミノ酸 / ラマン分光 |
研究概要 |
本年度はアミノ酸の大規模水和構造研究に先立ち、それと比較対照を行う大サイズプロトン付加水クラスターの赤外分光を行い、水の大規模な水素結合構造を探った。レーザー誘起放電とパルスジェットを組み合わせて、プロトン付加水クラスター,H^+(H_2O)_n,をn=100まで生成させ、重連型四重極質量分析装置と差周波発生コヒーレント赤外光によりサイズ選別赤外解離分光測定を水素結合及び自由OH伸縮振動領域で行った。自由OH伸縮振動数が中性水クラスターのそれとははっきりと異なることが見いだされ、振動数の配位数及びサイズ依存性から1個のプロトンが周辺100個の水分子の水素結合構造を変えることが分かった。水素結合OH伸縮振動領域のスペクトルはn=80付近から新たな吸収バンドが現れ、密度汎関数法計算によるモデルクラスター構造の解析から、これまで観測されたことのない4配位の水分子による吸収であることが確認された。 これに加えて、真空紫外光を用いた新しい赤外・ラマン分光法の開発を行った。これらの新規分光法は発色団を持たないアミノ酸のジェット冷却振動分光に非常に有効であると期待される。
|