計画研究
物質やエネルギーを外界からうけとり他の形態に変換して戻すことによって、界面は多彩な機能を発揮する。生体膜や溶媒抽出(液体-液体界面)、触媒や光触媒(固体-気体界面)、電池や液晶(固体-液体界面)、ポリマー多層膜やEL素子(固体-固体界面)などのように人の役に立つ界面は媒質に埋没した状態で動作する。埋没界面に埋め込まれた分子系が発揮する高次機能を理解することが本研究の目標である。1.走査プローブ顕微鏡による二酸化チタン表面に吸着した塩素原子の観察固体表面に吸着した原子あるいは分子は表面とのあいだで電荷移動をおこす。移動電荷がつくる双極子モーメントによって生じる仕事関数変動を顕微計測して、単一原子分子ごとに電荷移動量を計測する研究を進めている。触媒の選択性をチューニングする添加物である塩素原子を二酸化チタンに吸着させて、走査プローブ顕微鏡の一種であるケルビンプローブ顕微鏡を用いて局所仕事関数の面内分布を計測した。塩素原子が吸着した個所の仕事関数が増大することを見いだした。吸着ナトリウム原子によって局所仕事関数旨が減少することを以前に報告しており、吸着原子の電気陰性度と局所仕事関数がよい相関を示したことから、仕事関数を顕微計測して電荷移動を計測するアイデアの有効性を立証した。2.溶液中で動作するFM-AFM顕微鏡の開発カンチレバーの共鳴振動数変化を検出する方式の原子間力顕微鏡(FM-AFM)は、非導電体試料表面の単一原子分子を画像化する顕微鏡としてめざましく発展しつつある。しかし、液体中で動作させると粘性抵抗によって共鳴振動のQ値が低下し、力検出感度が悪化する欠点があった。カンチレバーの変位検出法を改善して液中で動作する顕微鏡装置を実現するために、微弱信号計測器などを整備して予備実験を進めた。
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http://133.30.66.2/~ohishi/