研究領域 | 分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解 |
研究課題/領域番号 |
19056006
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 洋 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20213803)
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研究分担者 |
木村 建次郎 神戸大学, 理学研究科, 講師 (10437246)
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キーワード | 周波数変調型原子間力顕微鏡 / 溶液構造 / 固液界面 / 埋没界面 / 電気二重層 / 二酸化チタン / 酸化アルミニウム / 単分子膜 |
研究概要 |
1.水溶液-金属酸化物界面のFM-AFM顕微鏡による力学分光 カンチレバーの共振周波数変化を検出する方式の原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いた固液界面の高分解能観察を進めている。顕微鏡探針にはたらくpNオーダーの力を計測して、固体の凹凸ばかりでなく、固体に接する液体の微視的構造を明らかにする方法論の開発である。 昨年度までに観察した二酸化チタン・マイカに加えてサファイア単結晶面を観察した。顕微鏡探針にかかる力を探針-表面距離の関数として精密計測して、固体近傍で構造化された水分子による層状構造を検出した。三種類の金属酸化物を比較したところ、親水性の高い界面ほど水分子が強く構造化することがわかった。 2.有機溶媒-自己組織化単分子膜界面のFM-AFM顕微鏡による力学分光 有機単分子膜で修飾した固体表面と接触する有機溶媒の計測も進行中であり、FM-AFMによる力学分光が固体-液体界面の構造計測法として一般性をもつことを実証しつつある。ドデカンチオール単分子膜に接するn-ドデカン・n-ヘキサデカン・フェニルオクタンを計測したところ、構造化された溶媒層の層間間隔はフェニル基をもつフェニルオクタンが0.63nm、直鎖アルカンであるn-ドデカンとn-ヘキサデカンで0.57nmであった。この結果はメチル基で終端した単分子膜上で(1)直鎖アルカンが分子軸を分子膜に並行にして構造化されること(2)アルカン末端にフェニル基があると分子パッキングが疎になることを示している。
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