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2010 年度 実績報告書

時間分解分光法を用いた非解離イオン化質量分析機構の研究

計画研究

研究領域分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解
研究課題/領域番号 19056008
研究機関首都大学東京

研究代表者

藤野 竜也  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20360638)

キーワード質量分析法 / MALDI法 / プロトン移動 / 時間分解分光法
研究概要

マトリクス支援レーザー脱離イオン化法においてこれまで不明だった脱離のメカニズムを解明する目的でフェムト秒時間分解質量分析法を開発した。MALDIのモデル系であるテトラセン分子を微量含むアントラセン結晶からの脱離過程を時分割観測した。これにより試料分子の脱離にはマトリクス分子の電子緩和に伴う格子振動励起が重要であることが示された(投稿中)。
さらに分子振動とプロトン付加の関係を探るため、水酸基の存在位置が異なるマトリクスを使って質量分析を行い、水酸基が分子内で水素結合を形成するマトリクス分子が試料のプロトン付加には適していることが分かった。このため該当する水酸基の振動を励起する意味で近赤外光を照射し質量分析を行ったところ、通常法では得られない感度で試料のプロトン付加ピークが増強することが分かった。また振動励起のための近赤外照射とイオン化のための紫外照射の時間を変化させた時分割測定を行ったところ、本実験の条件下で試料へのプロトン付加には約2ナノ秒のスケールで起きていることが理解された(投稿準備中)。
また開発したカチオン置換ゼオライトマトリクスを用いて、従来MALDI法では測定できなかった試料(アスピリン等)の測定に成功した。現在赤外分光法や量子化学計算によりメカニズム解明に努めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mass spectrometry of low-molecular-weight compounds with 2,4,6-trihydroxyacetophenone and 2,4-dihydroxyacetophenone in β-cyclodextrin2010

    • 著者名/発表者名
      T.Fujita, T.Fujino, K.Hirabayashi, T.Korenaga
    • 雑誌名

      Anal.Sci.

      巻: 26 ページ: 743-748

    • 査読あり
  • [学会発表] Pronounced Selectivity in MALDI Mass Spectrometry using 2,4,6-trihydroxy acetophenone on zeolite surface

    • 著者名/発表者名
      T.Fujino, Y.Komori, H.Shima, J.N.Kondo, K.Hashimoto, T.Korenaga
    • 学会等名
      XIII IUPAC Symposium on Photochemistry
    • 発表場所
      Ferrara, Italy
    • 年月日
      00000711-00000716

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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