酵素は生理条件下で絶えずその三次元構造を変えながら機能している。液体ヘリウム温度における単一タンパク質分光は、酵素が生理条件下で取る様々な構造を一個一個つぶさに観察できる、という点で他の手法では全く不可能な情報が得られる。しかし、これまでこの手法は技術的に近赤外領域に限られており、ごく僅かのタンパク質しか研究できなかった。 我々は可視域の実験を可能にしてこの手法を一般化するとともに、青色光によって自らの酵素機能を制御する青色受容体酵素の分子内機能制御機構を解明することを目的としている。これを実現するために必要な課題は以下の通りである。 (1) 液体ヘリウム中で使える可視光用対物レンズの開発。 (2) 単一タンパク質観察中の試料の温度変化の実現。
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