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2007 年度 実績報告書

卵細胞における細胞周期の開始機構

計画研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 19057003
研究機関東京工業大学

研究代表者

岸本 健雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)

研究分担者 千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70222130)
キーワード細胞周期 / 受精 / 細胞死 / 前核の融合 / 減数分裂 / Mos-MAPK / サイクリン-CDK / 卵細胞
研究概要

未受精卵における細胞周期の停止、受精による細胞周期の開始、および受精しなかった場合の細胞死について、解析した。
1,ヒトデ成熟未受精卵はG1期に停止して受精を待つ。この停止は、Mos-MAPKの直下で、Rsk (p90 ribosomal S6kinase)を介した経路によるS期への移行抑制とともに、Rskを介さない経路によるM期への移行抑制によって、実現されていることを示した。これは、DNA複製チェックポイントが非機能的な系における細胞周期抑制システムを初めて明らかにするものであり、"dual lock" の概念を提唱している。
2.カエル成熟未受精卵は減数第2分裂中期に停止して受精を待つ。この停止の解除には、従来いわれていたCaMKIIだけでなく、カルシニュリン(CaN)も必要であることを明らかにした。これは、CaNの新規機能の発見でもある。
3.ヒトデ受精卵においては、G1期からS期の間に、雌雄両前核の接近と融合がおこる。こうした核融合は、細胞周期の進行を必要としないが、間期に起こるにもかかわらずM期に機能するサイクリンB-Cdklの低レベルの活性を必要とすることを見出した。これは核融合の制御について全く新たな視点を切り開くとともに、M期Cdkの間期における役割を初めて明らかにするものである。
4.ヒトデ成熟卵は受精しないと最終的にはアポトーシスをおこすが、その実行因子はカスパーゼ9様の遺伝子産物であり、これのカスパーゼ3様のペプチダーゼ活性(DEVDase)にもとづくことを明らかにした。さらにこの遺伝子産物のN末端領域に存在するCARDドメインのみを卵内に注入したときにも、内在性のDEVDase活性を上昇させることが明らかになり、現在この機構について解析している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Hormone-induced cortical maturation ensures the slow block to polyspermy and does not couple with meiotic maturation in starfish.2008

    • 著者名/発表者名
      Hirohashi, N. 他
    • 雑誌名

      Dev. Biol.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] XErpl Phosphorylation by p90Rsk is required for cytostatic factor arrest in Xenopus eggs.2007

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama, T. 他
    • 雑誌名

      Nature 446

      ページ: 1096-1099

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transient activation of calcineurin is essential to initiate embryonic development in Xenopus laevis.2007

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama, T. 他
    • 雑誌名

      Nature 449

      ページ: 341-345

    • 査読あり
  • [学会発表] Cell cycle start after fertilization2007

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto, T., 他
    • 学会等名
      EMBO Workshop & XIV European Cell Cycle Conference
    • 発表場所
      Spetses, Greece
    • 年月日
      20071005-08
  • [学会発表] 減数分裂中期休止解除におけるERKとpHの関与2007

    • 著者名/発表者名
      薄井加奈, 他
    • 学会等名
      日本動物学会第78回大会
    • 発表場所
      弘前
    • 年月日
      20070920-22
  • [図書] 生化学辞典(第4版)2007

    • 著者名/発表者名
      大島泰郎, 他(編集分担)
    • 総ページ数
      1650
    • 出版者
      東京化学同人
  • [備考]

    • URL

      http://www.cell-dev.bio.titech.ac.jp/home/index-j.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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