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2008 年度 実績報告書

卵細胞における細胞周期の開始機構

計画研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 19057003
研究機関東京工業大学

研究代表者

岸本 健雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)

研究分担者 千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70222130)
キーワード細胞周期 / 受精 / 細胞死 / 前核の融合 / 卵割周期 / Mos-MAPK / サイクリン-CDK / 卵細胞
研究概要

未受精卵における細胞周期の停止、受精による細胞周期の開始、および受精しなかった場合の細胞死について、解析した。
1. ヒトデ成熟未受精卵はG1期に停止して受精を待つ。この停止は、Mos-MAPKの直下での"dual lock"-Rsk(p90 ribosomal S6 kinase)を介した経路によるS期への移行抑制と、Rskを介さない経路によるM期への移行抑制-によって実現されることを見出した。そこで、後者の経路について解析した結果、MAPKが、cyclin Aとcyclin Bのタンパク合成を、poly(A)鎖の伸長非依存的に抑制していることが判明した。この際のMAPKの標的の同定が、次の課題である。
2. ヒトデ受精卵においては、G1期からS期の間に、雌雄両前核の接近と融合がおこる。これらは、間期に起こるにもかかわらず、M期に機能するcyclin B-Cdk1の低レベルの活性を必要とすることを見出した。そこで、この際のCdk1活性の役割について検討した結果、精子星状体の形成に必要であり、さらに、精子中心体の分離にも必要である可能性が判明した。これらによって、雌雄両前核の移動と接触が可能になると考えられる。
3. ヒトデ卵は減数分裂を完了すると約8時間後に同調的なアポトーシス過程を経て、死滅する。受精すれば死を免れ発生する。減数分裂完了後8時間以内では平なぜカスパーゼ活性が検出されないのかについて検討した。抗ヒトデカスパーゼ抗体を作製し、プロカスパーゼがいつ切断されるのかをウエスタンブロットで確かめた結果、カスパーゼ活性が上昇するのにあわせて、プロカスパーゼ量が減少することが判明した。この事実は、減数分裂完了後8時間後にプロカスパーゼの切断が起こることを示唆している。これとMAPKの不活性化との相関の解明が、次の課題である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Start of the embryonic cell cycle is dually locked in unfertilized starfish eggs2009

    • 著者名/発表者名
      Hara, M., 他
    • 雑誌名

      Development 136(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cyclin B-Cdkl controls pronuclear union in interphase.2008

    • 著者名/発表者名
      Tachibana, K., 他
    • 雑誌名

      Curr. Biol 18

      ページ: 1308-1313

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of mitogen-activating protein kinase and intracellular pH in the duration of the metaphase I (MI) pause of starfish oocytes after spawning.2008

    • 著者名/発表者名
      Usui, K., 他
    • 雑誌名

      Dev. Growth Differ. 50

      ページ: 357-364

    • 査読あり
  • [学会発表] イトマキヒトデカスパーゼCARDのアポトーシスにおける関与2008

    • 著者名/発表者名
      本間綾香, 他
    • 学会等名
      第79会日本動物学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080905-07
  • [学会発表] Revisit to MPF2008

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto, T.
    • 学会等名
      Jacques Monod Conference "The cell cycle and genomic instability"
    • 発表場所
      Roscoff, France
    • 年月日
      20080426-30
  • [図書] 細胞工学(1月号)特集「細胞周期研究の新たなステージ」2009

    • 著者名/発表者名
      岸本健雄(監修)
    • 総ページ数
      1-58
    • 出版者
      秀潤社
  • [備考]

    • URL

      http://www.cell-dev.bio.titech.acjp/home/index-j.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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