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2009 年度 実績報告書

卵細胞における細胞周期の開始機構

計画研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 19057003
研究機関東京工業大学

研究代表者

岸本 健雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)

研究分担者 千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70222130)
キーワード細胞周期 / 卵細胞 / 受精 / 細胞死 / Mos-MAPK-Rsk / サイクリン-CDK / カスパーゼ
研究概要

ヒトデ未受精卵における細胞周期の停止、受精による細胞周期の開始、および受精しなかった場合の細胞死について、解析した。
1. 受精による細胞周期停止の解除:ヒトデ成熟未受精卵は、Mos-MAPK-Rsk経路依存性にG1期に停止して受精を待ち、受精によるMosのタンパク分解はG1期停止の解除に必要十分である。このMosタンパク分解の誘起機構を解析した結果、従来の予想に反して、プロテアソームによらないことが判明した。現在、Mos分子中で、タンパク分解に必須の領域を決めようとしている。
2. 受精によるS期の開始:G1期にあるヒトデ成熟未受精卵のS期開始は、RskがCdc45(DNA polymerase αの積載因子)の染色体積載を抑制することよる。Cdc45の制御因子であるCut5について解析したところ、Rsk活性に並行してリン酸化されていることが判明した。今後、それがS期開始制御に実際に関わるのかを詰めていきたい。
3. 受精によるM期の開始:新規M期キナーゼであるGwl(Greatwall kinase)について解析を始めたところ、卵割周期に応じて活性変動することが判明した。今後、受精後のサイクリンA-Cdc2とサイクリンB-Cdc2の活性化にいかに関わるのかを明らかにしたい。
4. 未受精卵の細胞死:ヒトデ成熟卵は、受精が起こらない場合、減数分裂完了後8時間で同調的なアポトーシスを起こして死滅する。このヒトデ未受精卵アポトーシスの実行因子であるカスパーゼは、哺乳類カスパーゼ3の活性を持つが、CARD構造を持つために上流カスパーゼ9とも相同であり、カスパーゼ3/9と名付けた。プロカスパーゼ3/9は、活性化されるときに分子量が著しく増加するので、Apaf1関連分子と相互作用することで活性型カスパーゼ3/9になると示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Initiation of DNA replication after fertilization is regulated by p90Rsk at pre-RC/pre-IC transition in starfish eggs2010

    • 著者名/発表者名
      Tachibana, K., 他
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 107

      ページ: 5006-5011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Start of the embryonic cell cycle is dually locked in unfertilized starfish eggs2009

    • 著者名/発表者名
      Hara, M., 他
    • 雑誌名

      Development 136

      ページ: 1687-1696

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association of spindle midzone particles with polo-like kinase 1 during meiosis in mouse and human oocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Otsuki, J.
    • 雑誌名

      RBM Online 18

      ページ: 522-728

    • 査読あり
  • [学会発表] イトマキヒトデ未受精卵のアポトーシスにおけるカスパーゼ3/9活性化機構2009

    • 著者名/発表者名
      高田真理子, 他
    • 学会等名
      第80会日本動物学会大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20090917-20090920
  • [学会発表] Dual lock for cell cycle arrest in unfertilized mature starfish eggs2009

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto, T.
    • 学会等名
      Les Treilles Conference "Meiotic Division in Oocytes"
    • 発表場所
      Les Treilles, France
    • 年月日
      20090622-27
  • [図書] Oogenesis : The Universal Process(ed.Verlhac, M.H., Cytostatic arrest : Post-ovulation arrest until fertilization in metazoan oocytes., Chapter 14)2010

    • 著者名/発表者名
      Nishiyama, T., Tachibana, K., Kishimoto, T.
    • 総ページ数
      357-384
    • 出版者
      Wiley-Blackwell
  • [備考]

    • URL

      http://www.cell-dev.bio.titech.ac.jp/home/index-j.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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