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2011 年度 実績報告書

卵細胞における細胞周期の開始機構

計画研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 19057003
研究機関東京工業大学

研究代表者

岸本 健雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)

研究分担者 千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70222130)
キーワード細胞周期 / 卵細胞 / 受精 / 細胞死 / Mos-MAPK-Rsk / サイクリン-CDK
研究概要

ヒトデ未受精卵での細胞周期の停止、受精による細胞周期の再開始、および受精しない場合の細胞死について解析した。
1.未受精卵における細胞周期の停止:ヒトデ成熟未受精卵のG1期停止はMos (MAPKKK)-MEK (MAPKK)-MAPK-Rsk経路に依存性しており、この停止中、Mosのタンパク量は見かけ上、一定である。ところが実際には、Mosはダイナミックに合成と、プロテアソーム依存性の分解を繰り返しており、それらが釣り合うことによって一定量を維持していると判明した。
2.受精による細胞周期停止の解除:ヒトデ成熟未受精卵は、受精するとMosタンパクが消失するとともにMAPKが不活性化してG1期停止を解除するため、これまで、Mosのタンパク消失はMAPK経路の不活性化に必須と考えていた。ところが実際はそうではなく、Mosのタンパク消失とは独立に、しかもMQSのキナーゼ活性が高いままでも、受精によってMEKのphosphataseが活性化し、それによってもMAPK経路が不活性化すると判明した。しかも、受精によるMosタンパクの消失は、プロテアソーム非依存性のタンパク分解と、タンパク合成停止の両方に依存すると判明した。受精によるMAPK経路の遮断は、複数のシステムにより保証されているといえる。
3.未受精卵の細胞死:受精しない場合、ヒトデ卵は減数分裂を完了すると約8時間後に同調的なアポトーシスを起こす。このアポトーシスの実行因子であるカスパーゼ-3/9は、卵抽出液中では高分子画分に存在すると判明し、アポトソーム様複合体の形成によって活性化することが強く示唆された。現在、アポトソームの構成因子であるApaf-1との結合を確認中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Turn motif phosphorylation negatively regulates activation loop phosphorylation in Akt2011

    • 著者名/発表者名
      Hiraoka, D., Okumura, E., and Kishimoto, T.
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 30 ページ: 4487-4497

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolution of the acquisition of fertilization competence and polyspermy blocks during meiotic maturation2011

    • 著者名/発表者名
      Chiba, K.
    • 雑誌名

      Mol.Reprod.Dev.

      巻: 78 ページ: 808-813

    • 査読あり
  • [学会発表] イトマキヒトデ未受精卵のアポトーシスにおけるカスパーゼ-3/-9活性化機構2011

    • 著者名/発表者名
      高田真理子、広橋教貴、千葉和義
    • 学会等名
      日本動物学会第82回大会
    • 発表場所
      旭川
    • 年月日
      20110921-20110923
  • [学会発表] Cooperation of Greatwall kinase with cyclin B-Cdk1 in starfish oocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Kishimoto, T.
    • 学会等名
      The 6th UK-Japan Cell Cycle Workshop
    • 発表場所
      Ambleside(英国)(招待講演)
    • 年月日
      2011-04-12
  • [図書] 卵子学第VII章「c-Mosによる卵子染色体半数化と単為発生の抑制」(森崇英編)2011

    • 著者名/発表者名
      立花和則、岸本健雄
    • 総ページ数
      1195
    • 出版者
      京都大学出版会
  • [備考]

    • URL

      http://www.cell-dev.bio.titech.ac.jp/home/index-j.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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