計画研究
本研究は分裂期キナーゼの機能を基軸として、分裂期の制御機構について体系的な理解を深めることを目指し、分裂期キナーゼCdk1、 Aurora、 Poloの活性を抑えたときの細胞表現形を観察し、その表現形に関連すると思われる主要な分子に着目して、酵素とその関連分子の連携を顕微鏡的・生化学的手法によって検討することを目的としている。初年度の計画は、1)分裂期進行の制御分子及び分裂装置の構成分子の動態観察、及び、2)生理的分子動態における分裂期キナーゼの関与の検討を進めることとした。まず、分裂期特異的なオルガネラである染色体の構成因子であるコンデンシン、コヒーシン、HP1α、紡錘体の構成因子であるチュブリン、セントロメアヒストンCENP-Aについて、蛍光蛋白質EGFPで標識した細胞を構築し、生理的な分裂期進行に伴う分裂装置の変化を生細胞で可視化できるような系を整えた。生化学的な分裂期進行をモニターするにCyclin Bの蛍光標識はBAC transgeneにより行っている。さらに分裂期キナーゼの分子動態を解析するために、まずAurora Bの安定発現細胞を作成して、FRAP解析を試みた。その結果、セントロメアに分布するAurora Bはその活性に依存して、活発なターンオーバーをしていることを見出した。現在、Aurora B活性を阻害した際の染色体および紡錘体構成因子の分子動態の変化についての顕微鏡的解析を進めている。
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Journal of Cell Science 120
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実験医学 25
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http://www.jfcr.or.jp/tci/exppathol/index.html