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2008 年度 実績報告書

チェックポイントとリン酸化抗体

計画研究

研究領域細胞周期フロンティア-増殖と分化相関
研究課題/領域番号 19057010
研究機関愛知県がんセンター研究

研究代表者

稲垣 昌樹  愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30183007)

研究分担者 中西 真  名古屋市立大学, 医学系研究科(研究院), 教授 (40217774)
キーワードチェックポイント / リン酸化抗体 / Chk1
研究概要

Chk1は、DNA複製/障害チェックポイントの際に活性化される蛋白質リン酸化酵素(キナーゼ)である。ATRによるChk1のセリン317およびセリン345のリン酸化反応がChk1の活性化に必要であることはよく知られているが、その他のリン酸化反応によるChk1の制御はほとんどわかっていないのが現状といえる。以前、我々は、分裂期において、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)1がChk1にセリン286およびセリン301をリン酸化することを報告してきた。今年度、分裂期においてChk1が分裂前期の進行とともに核から細胞質に移行することを見出した。また、分裂前期細胞において、外来性のChk1の野生型(WT)は細胞質および核に局在するにも関わらず、セリン286/301をアラニンに置換したChk1変異体(S286A/S301A)に局在はほとんど核内にしか認められなかった。さらに、細胞の分裂期への進行は、S286A/S301Aの誘導によって著しく遅延することが判明した。以上の結果は、1)Cdk1がChk1のセリン286およびセリン301をリン酸化することでChk1を核から細胞質に移行させていること、2)このChk1の核外排出により、細胞がより円滑に分裂期へ進行しやすくなっていることを示唆するものである。
また、今年度、1)このリン酸化反応が、分裂期だけでなく、紫外線照射におけるDNA障害時やヒドロキシウレアによるDNA複製障害時にも引き起こされること、2)このリン酸化反応がCdk2によって制御されていることを明らかにした。このことは、リン酸化反応によるChk1の機能制御は当初考えられていたものより複雑で、少なくとも活性化に必要なATRからのみならず、Cdkによっても制御されていることを意味している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Protein phosphatase 4 catalytic subunit regulates Cdk1 activity and microtubule organization via NDEL1 dephosphorylation.2008

    • 著者名/発表者名
      Toyo-oka, K. et al.
    • 雑誌名

      J. Cell Bio. 264

      ページ: 77-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Palmitoylation of ERBIN is required for its plasma membrane localization.2008

    • 著者名/発表者名
      Izawa, I. et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 13

      ページ: 691-701

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The keratin-binding protein Albatross regulates polarization of epithelial cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto, M. et al.
    • 雑誌名

      J. Cell Biol. 183

      ページ: 19-28

    • 査読あり
  • [学会発表] Novel TPHD proteins: keratin-binding proteins act as the regulator for the cell-cell adhesion.2008

    • 著者名/発表者名
      Inoko, A. and Inagaki, M.
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-10-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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