計画研究
(1) プリオンを含むタンパク質の構造多形の生物学的意義の解明タンパク質の中には本来の立体構造以外にアミロイドやプリオンのような分子間βシートよりなる秩序をもった凝集状態に構造変換するものがあることがわかってきた。中でも、プリオンはタンパク質の異常構造が増殖しつつ伝播していくことが知られているが、その形成機構や細胞内での動態などについてほとんどわかっていない。20年度は、酵母プリオンをモデルとして、酵母プリオンSup35タンパク質の細胞内での動態を調べる新しい方法を確立して、プリオン伝播に関する知見を得た。(2) 構成的アプローチによるタンパク質機能発現システムの再構築タンパク質が機能を発現するには、ポリペプチドが合成されたあとにフォールディングする必要がある。従来のフォールディング研究は、精製したタンパク質を尿素などの変性剤で変性させてからフォールディングするプロセスを調べてきたが、リボソームでの翻訳というベクトルをもったタンパク質合成時のフォールディングに適用できるかどうかは定かではない。そこで、本研究では、必須因子のみから構成された無細胞タンパク質合成系(PUREシステム)を基盤技術として、翻訳に共役したタンパク質フォールディングを調べている。前年度まではシャペロンを含まない条件にて大腸菌の全蛋白質を発現させ、その凝集のなりやすさを評価し、タンパク質の凝集に関する新知見を得た。20年度は、大腸菌の主要シャペロン(GroEL系、DnaK系、Trigger Factor)を加えたPUREシステムにて凝集しやすいタンパク質を合成して、どのタンパク質にどのシャペロンが効果があるのかを調べた。
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FEBS J. ((印刷中)掲載確定)
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