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2008 年度 実績報告書

大腸菌エンベロープ形成機構の解明

計画研究

研究領域タンパク質社会の研究の総合的推進
研究課題/領域番号 19058003
研究機関東京大学

研究代表者

徳田 元  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)

研究分担者 西山 賢一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (80291334)
松山 伸一  立教大学, 理学部, 教授 (50183108)
キーワードβバレル型タンパク質 / リポタンパク質 / リポ多糖 / 外膜 / 生合成
研究概要

大腸菌のエンベロープを構成する因子の中で、リポ蛋白質の選別と外膜への輸送機構が最も詳しく明らかにされている。しかし、リポ蛋白質輸送因子LolAに特徴的なC末端領域の役割は明らかでなかった。LolAとLolBは全体構造が大変よく似ているがLolAにはLolBに無いC末端ループが存在する。このループの機能を欠失LolA変異体の作製により調べ、リポ蛋白質が内膜から遊離した後、再び内膜に戻ることを防ぐ機能があることを明らかにした。LolBは外膜に結合した因子であるが、LolAはペリプラズムに存在する可溶性の因子である。非特異的に膜にリポ蛋白質を組み込む機能がLolAに無いのは、C末端領域の作用であることが明らかになった。
これまでに、LolAの疎水性キャビティーはリポ蛋白質の結合と解離により、開閉することを見いだしていたが、この実験系をさらに改良するとともに、変異体を用いてこれを証明した。疎水性キャビティーが開かないようにジスルフィド結合を導入したLolAは、大腸菌に致死的作用を与えることを見いだした。また、これらの成果を光架橋による因子間相互作用部位の解析に適用し、Lol因子間を効率よくリポ蛋白質が受け渡される機構について明らかにし、"口移し"モデルを提唱した。これは、LolAとLolBの疎水性キャビティーに存在する入り口部分を互いに結合させることにより、リポ蛋白質が、LolAからLolBへ一方向的に速やかに受け渡されるというものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] H. Molecular events involved in a single cycle of ligand transfer from an ATP-binding cassette transporter, LolCDE, to a molecular chaperone, LolA.2008

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, N.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 8538-8544

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A short helix in the C-terminal region of LolA is important for the specific membrane localization of lipoproteins.2008

    • 著者名/発表者名
      Okuda, S.
    • 雑誌名

      FEBS Lett. 582

      ページ: 2247-2251

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diacylglycerol specifically blocks spontaneous integration of membrane proteins and allows detection of a factor-assisted integration.2008

    • 著者名/発表者名
      Kawashima, Y.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 24489-24496

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opening and closing of the hydrophobic cavity of LolA coupled to lipoprotein binding and release.2008

    • 著者名/発表者名
      Oguchi, Y.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 25410-25420

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Introduction of a lethal redox switch that controls the opening and closing of the hydrophobic cavity in LolA.2008

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, S.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 25421-25427

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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