研究領域 | タンパク質社会の研究の総合的推進 |
研究課題/領域番号 |
19058004
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
吉田 賢右 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90049073)
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研究分担者 |
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 講師 (40411839)
元島 史尋 京都産業大学, 総合生命科学部, 助教 (70372464)
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キーワード | GroEL / GroES / シャペロン / シャペロニン / ClpB / FtsH / プロテアーゼ / おれたたみ |
研究概要 |
分子シャペロンは、GroELなどの閉じ込め型、DnaKなどの結合解離型、ClpB,FtsHなどの糸通し型に分類できる。そのうち、シャペロニンGroELの作用機構について、昨年度、現在広く信じられているモデルでは説明できないいくつかの結果を得た。たとえば、GroEL/ESの内部空洞の基質タンパク質は、空洞入り口のGroEL残基と相互作用しており、また一部は空洞の外部にはみだしており、外部の抗体によって捕らえられる。これは新しいモデルを示唆するものである。GroELはATP存在下でオープン型の構造をとってはじめてGroESを結合できるようになるが、オープン型構造を特異的に検出するクロスリンク方法を考案した。その結果、ATP存在下ではGroELの2つのリングがオープン型となり、ADPでは1つのリングだけがオープン型になることがわかった。いったんオープン型になるとヌクレオチドがなくてもGroESが結合できる。ClpBについては、システインをリンカーとして安定な6量体の作製できたので、その生化学的解析が可能になった。また、カゼインの分解でClpBの糸通しを検定できる系をつくったので、構造変化やATP分解とポリペプチドひきこみの関係を探ることが可能になった。FtsHは、結晶化の再現性がよくなってきたので、さらに新しい結晶を得て構造解析を進めるとともに、以前の結晶構造から推定された重要部分の変異による生化学的な解析を進めた。
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