本年度の成果は以下の通りである。[1]EDEMに関連した成果としては、EDEMと同様に分解シグナルとしての糖鎖を認識するレクチン様のタンパク質OS9に関して、OS9がどのような糖鎖を認識するかを明らかにした。特にマンノース鎖の内、C鎖がトリミングされた構造を特異的に認識することを明らかにし、現在投稿中である。また、ユビキチン化に関与するgp78が嚢胞性線維症の原因遺伝子CFTRの分解を促進すること、それが従来考えられていたようなE3酵素としてではなく、E4酵素として機能しているという事実を見出し、Mol. Biol. Cellに発表した。[2]小胞体レドックスがどのように小胞体関連分解ERADに関与するかという研究では、ERdj5という新しいタンパク質が、小胞体においてジスルフィド結合の還元酵素として働き、ERADを促進していることを発見し、Science誌に発表することができた。
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