研究領域 | タンパク質社会の研究の総合的推進 |
研究課題/領域番号 |
19058010
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (50142005)
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研究分担者 |
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80273861)
寺田 和豊 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (00253724)
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キーワード | 小胞体ストレス / 蛋白質品質管理 / シグナル伝達 / 転写翻訳調節 / HSP40 |
研究概要 |
(1) センサーによる異常タンパク質の感知機構 構造異常のモデルタンパク質であるCPY*(カルボキシルペプチダーゼY)を酵母内で発現させると、出芽酵母小胞体ストレスセンサーIre1はCPY*とは相互作用しているが、野生型のCPYとは相互作用していないことが免疫沈降実験により示すことができた。酵母のUPRはイノシトール欠損培地でも起こることが知られているが、このときIre1のクラスタリングは起こさずにIre1が活性化していることを見いだした。何故クラスタリングをしなくてもIre1が活性化できるのか、さらにどのような遺伝子と協調して働いているのかを検討し、Ire1センサーのクラスタリングの生理的意義を明らかにする予定。 (2) 膵島β細胞のみでIRE1αが欠失するCKO(conditional KO)マウスで、16週令以降に糖尿病を発症することがわかった。糖負荷を与えると8週令から糖負荷後の血糖値及びインスリン値の変化が野生型比べ顕著に悪いことを見いだした。これらの表現型の変化にIRE1α機能欠損がどのように影響しているのかを今後の検討課題とした。 (3) 新規小胞体Jタンパク質(HSP40)であるDNAJB12のERADにおける役割についての検討を進めた。嚢胞性繊維症の責任遺伝子産物であるCFTRを基質に用いて検討をしたところ、DNAJB12はHsc70と相互作用しながらERADを促進する作用があることが明らかとなった。今後はDNAJB12遺伝子のノックダウンの影響をみることによりこの作用をさらに補強していく予定である。
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