計画研究
1センサーによる異常蛋白質の感知機構 酵母小胞体ストレスセンサーIre1の活性化は、小胞体シャペロンBiPの解離により起こるクラスター化と構造異常蛋白質のIre1への直接結合の2段階により起こることを示してきたが、センサーと異常蛋白質との結合は試験管内の実験で明らかにしたものであった。今回酵母細胞の中で構造異常蛋白質であることがわかっている変異型カルボキシペプチダーゼY(CPY^*)を大量に発現すると、Ire1は変異型と強く結合することを示すことに成功した。またIre1の活性化はイノシトール飢餓や膜代謝異常によっても起こり、この場合にはIre1のクラスタリングやBiPの解離がなくても活性化されることがわかった。このことは、Ire1は異常蛋白質を認識するだけでなく、膜の異常も感知する活性を持っている事を示唆している。2小胞体ストレス応答と糖尿病 小胞体ストレスと糖尿病との関連を明らかにするため、膵島β細胞でのみIRE1αとATF6α遺伝子両者を欠失するKOマウスを作製したところ、生後5-6週目から血糖値上昇、頻尿、糖尿など顕著な糖尿病症状を示すことが明らかになった。今後はこのマウスを用いて詳細な分子機構を解析する。3Hsp40の生理機能 小胞体膜上に存在しJ領域をサイトゾル側に向けた新規のJ蛋白質DnaJB12は、小胞体内腔の可溶性蛋白質ではなく、膜上にある構造異常蛋白質のER関連分解に、Hsp70と協調して大きく関わっていることを初めて明らかにした。
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http://bsw3.naist.jp/kouno/kouno.html