計画研究
超免疫不全NOG(NOD/scid/gamma c(γc)-null)マウスにヒト臍帯血由来CD34+血液幹細胞を移入し、ヒト免疫系を再構築した。脾臓内には、成熟B細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞ならびに未熟B細胞が出現した。このヒト化NOGマウスに抗原で免疫しても、抗原特異的なIgMクラス抗体は産生されるが、IgGクラス抗体は産生され難い。成熟Bは殆どがIgM+であり、in vitroでの刺激でIgG+へとクラススイッチがみられた。脾臓内丁細胞はin vitroでの刺激に対してアポトーシスが誘導された。他方、胸腺内T細胞は抗CD3/D28抗体刺激で正常な増殖反応を示した。また、マウスMHC-IならびにMHC-II欠損NOGマウスでも、ヒトCD4+T細胞ならびにCD8+T細胞が共に出現した。従って、免疫系ヒト化NOGマウスでは、B細胞やT細胞は再構築できるが、免疫応答能は不完全である。ヒト化NOGマウスで分化するヒトT細胞はマウス胸腺で教育されるため、マウスMHCに拘束されており、従って同じく分化するヒトB細胞や樹状細胞と反応できないためと考えられる。このため、NOGマウスの胸腺にヒトMHC class IIを発現するトランスジェニックマウスの作製を行った。この目的のために、プロモーターとして、CAG、CMVおよびIEプロモーターを使い、その下位にDRAとDRBをそれぞれ配置したDNAを作製し、(NOG x NOD)F1前核期胚に共注入した。その結果、IEプロモーターによってDRA/Bを胸腺に発現するTgマウスが作製できた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Int Immunol
巻: 21 ページ: 843-858
Transplantation
巻: 87 ページ: 1654-1658
Curr Top Microbiol Immunol
巻: 324 ページ: 53-76