研究概要 |
末梢におけるT細胞免疫誘導の場であるリンパ節におけるnTregについて解析した。その結果Foxp^<3+> nTregは主にリンパ節傍皮質領域に局在しており、自己免疫寛容に重要な役割を果たすCD8a+DCまたはCD11b-CD8a-DCと高頻度に接触していることを明らかにした。またFoxp^<3+> nTregの血行性のリンパ節遊走には、傍皮質領域で生じるCCR7依存的なルートと髄質領域で生じるCXCR4依存的なルートが存在する事を明らかにした。組織由来DCはCCR7を介してリンパ行性にリンパ節傍皮質領域に遊走する事から、CCR7がDC, nTregおよび通常のT細胞とのクラスター形成を制御し、T細胞応答制御に重要な役割を果たしていることが示唆された。 pDCはウイルス感染に伴い大量のI型インターフェロンを産生することから注目を集めている細胞であるが、その遊走制御機構は不明である。私達はDOCK2欠損マウスにおいてpDCの分化・成熟は正常であるにも関わらず、2次リンパ組織においてpDCが著減することを見いだし、そのメカニズムを詳細に解析することで、DOCK2がpDCの遊走に不可欠なRac活性化分子であることを明らかにした。また、ヘルパーT細胞分化におけるDOCK2の役割を解析し、TCRの下流でDOCK2-Racシグナルが作動すると、IL-4Rαの細胞内輸送を介してその細胞表面での発現をコントロールし、過剰なIL-4シグナルがT細胞に伝わるのを未然に防ぐという制御機構が存在することを明らかにした。
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