計画研究
本研究課題では、申請者が作成してきた自然発症白血病の遺伝子改変マウスモデルを駆使して、自己応答としての変異(白血病)細胞に対する免疫応答と寛容の分子機構およびその個体レベルにおける意義を解明し、これを基礎として自己変異細胞不応答性解除の方途の開発に資することを目的とする。これまで、白血病自然発症にともなうT細胞免疫機能の低下が、正常個体の加齢に伴う免疫老化と同等の細胞機構によって起こることを示してきた。今年度は、このT細胞免疫機能低下が、極めて特徴的な免疫記憶性CD4 T細胞の遺伝子再プログラミングによることを明らかにし、その遺伝子プロファイルを詳細なDNAマイクロアレイ法によって決定した。さらにこの遺伝子プロファイルに基づき、このT細胞の特有な形質と機能発現のメカニズムの一部を明らかにすることに成功した。この発見は担がん個体における免疫機能低下のメカニズムについて全く新しいコンセプトを提供するものであると考える。また、同T細胞はがん促進機能を有するとされるOsteopontinを大量に産生しうることがわかり、これががん細胞の進展にむしろ促進的に作用する可能性も示唆され、今後の重要な課題となっている。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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