計画研究
本研究課題では、申請者が作成してきた自然発症白血病の潰伝子改変マウスモデルを駆使して、自己応答としての変異(白血病)細胞に対する免疫応答と寛容の分子機構およびその個体レベルにおける意義を解明し、これを基礎として自己変異細胞不応答性解除の方途の開発に資するととを目的とする。これまで、白血病自然発症にともなうT細胞免疫機能の低下が、正常個体の加齢に伴う免疫老化と同等の細胞機構によって起こることを示してきた。今年度は、この老化関連CD4 T細胞(T-sen)の詳細な細胞学的解析を進め、白血病のリンパ組織への浸潤に伴って形成される濾胞胚中心に出現し同部位で増殖する新しいタイプの濾胞性CD4 T細胞であること、抗原受容体刺激には増殖反応を示さないが、Homeostaticcytokine(特にIL-15)に対して強い増殖反応を示すこと、Osteopontinをはじめとする炎症性サイトカインを選択的大量に産生しうること、通常の外来性非自己抗原免疫による胚中心反応では発生しないこと、濾胞形成のマスター遺伝子であるBcl-6の欠質マウスでは出現しないこと、など多くの所見が得られた。これらの結果は、白血病に伴って出現するT-sen細胞は、内因性の胚中心反応にともなうものであり、その向炎症性機能により、白血病の進展に大きく関与している可能性を強く示唆するものである。
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