計画研究
本研究は、Tリンパ球レパトア形成を担う胸腺微小環境の分子本態解明を目的とし、レパトア形成の再構築に基づく免疫疾患の根本的治療法の開発に近づくことを目指している。平成23年度の成果としては、まず、胸腺髄質上皮細胞の増殖分化と胸腺髄質の形成にγδT細胞由来のRANKLが関与することを明らかにした。また、胸腺皮質上皮細胞と胸腺髄質上皮細胞の分岐機構を明らかにすべく、皮質上皮細胞特異的に発現される胸腺プロテアソーム構成鎖β5tの遺伝子座にloxP特異的リコンビナーゼCreをコードする遺伝子を組み換えることで皮質上皮細胞特異的に遺伝子を改変させるマウスを作出した。予備実験の結果から、Cre発現に応じて蛍光タンパク質を不可逆的に発現するレポーターマウスとの交配により、胸腺皮質上皮細胞と胸腺髄質上皮細胞の共通前駆細胞にβ5t発現があることを明らかにしつつある。更に、Aire発現細胞の胸腺内での分化過程を検討する目的で、Crerecombinaseとヒトエストロゲン受容体リガンド結合領域変異体との融合タンパク質(Cre-ER)Aire遺伝子座にを挿入したノックインマウスを樹立した。Cre-ERは合成エストロゲン製剤であるtamoxifenの投与によって核内移行し、それによって初めてCre recombinase活性を発揮する。Aire/Cre-ERノックインマウスをGFPレポーターマウスと交配した成体マウスにtamoxifenを投与し、異なるタイミングでGFP陽性細胞の割合を測定した結果、Aire発現細胞の胸腺内におけるAire発現期以降の半減期が、およそ10日であることを明らかにした。
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